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サウジ通信 ~1995年7月 ②

ちょっと間が開いてしまいましたが、サウジ通信No.2 イスラム入門編の続編です。

次に特徴的なことは、やはり、女性の扱いでしょうか。 前の手紙にも書きましたが、女性はとても閉鎖的な世界に暮らしています。外出時は常にアバヤ(黒衣)とヘッドカバーをまとい、車の運転は許されず、本当は一人歩きもダメ(結構している人が多いけれど)。 既婚の男女は、たとえ知り合いでも、道で会釈をしてもいけない(らしい)・・・これだけで、不義密通になるのだそうです・・・等々、ちょっと想像もつかないような世界です。 レストランも男の人専用コーナーと、女性同伴用のファミリーコーナーと、入り口から別になっていて、ファミリーコーナーは中が見えないようにと窓もない(もしくは、ブラインドがガッチリおりている)ものがほとんど(マクドナルドやハーゲンダッツでさえこうなっています)。ファミリーコーナーのない店は男性専用。 
まだ私は服を買ったことがないのですが、聞いたところでは、家の外でアバヤを脱いではいけない・・・つまり試着はできないという話です(注: 本当です。その代わり、服を買うと、袋にレシートをホチキス留めにしてくれて、1週間は返金・返品が可能です)。 

このような決まりごと(法律というよりは慣習)の違反を取り締まるのは、一般の警察ではなく、宗教警察(ムタワ)。 スーク(市場)・サラータイム・日没後というのが、ムタワがよく出没する要注意ポイントなので、私もスークに行く時と夕方の買い物の時は、ヘッドカバーを被るようにしています(ちなみに、髪の毛を見せていると、後ろからポカッと殴られるのだそうです)。
サウジという国の大きな特徴の一つに、出稼ぎ外国人労働者が多いという点があります。サウジ人は会社や商店のオーナーかマネージャー、もしくは公的機関のトップ・・・要するに、実際の「仕事」にあまりかかわりのない、社会の上層部を占めていて、その他の部分はすべて出稼ぎさんが動かしている状態です。 私の回りを見渡しても、ダンナの会社のNo.2はインドネシア人、セールスはインド人、ドライバーはイエメン人、そうじ/雑用係はバングラデシュ、スポーツジムのおにいさんはフィリピン、旅行代理店の人もフィリピン・・・。他にもレバノン、シリア、エチオピア、エリトリア、韓国、パキスタン等々、いろいろな国からの出稼ぎさんがいます。
リヤド日本人会は0歳児まで含めてもわずか240人。 アメリカ人、イギリス人は万単位の人がいるのに比べると本当に小数派です。しかもその半分が大使館、JICA、日本人学校の関係者、 残りの大半が商社。ウチのようなメーカーの駐在員はごくわずかです。大人の数が百数十人ということなM(注:元の勤め先)の所員より、ちょっと多い程度。ほとんどの人が知り合いという感じです。少人数なだけに交流も多く、テニス大会、ボーリング大会等のイベントも多いようです。

サウジ通信 ~1995年7月 ②_b0095671_16282140.jpgここまで書いてきて読み返してみると、まるで、アバヤに身を包み、ムタワの影におびえ、息をひそめて毎日を送り、時々日本人同士の小さな世界で息抜きをして・・・みたいですね。 狭い世界に生きているのは事実。 でもコンパウンド(米軍キャンプをイメージしていただくとかなり近いと思います コメント: 「米軍キャンプ」って、普通はあんまりイメージできないですよね。実は本牧ベースのプールで遊んでいた変な中学生だった私・・・^^;)の中なら、タンクトップにショートパンツだろうと、一人でアイスクリームを食べながら歩いていようと、誰にも文句は言われないし、アメリカ人が多いので、近所の皆でバーベキューをしたり、毎朝コンパウンドから出ているショッピングバスに乗って買い物に行ったりもできるし、テニスコート、スカッシュコート、ビリヤード場、サウナ、プール、ジャクジ、レストラン、スーパー(もうすぐボーリング場もできる)と、コンパウンド内でいろいろなことができるので、皆さんが想像しているよりはきっとだいぶ快適な生活をしているだろうと思います(正直なところ、遊んでばかりいるワタシ・・・)。
サウジ報告Part 2はここまで。 ご質問、感想お待ちしています。 さーて、プールにでも行こうっと!


写真は住んでいたコンパウンドの2階の窓から見たご近所。 暑いので外にはだ~~~~~~れもいません。

サウジ通信2のオマケ編に続く。 ワタクシの写真、自筆の絵(ほとんど落書き)も登場しますのでお楽しみに。
by otravez | 2007-06-02 16:32 | 回顧録

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