2009年 08月 08日
2009年6・7月に読んだ本
ちょっとだけ心の弱い人たちの、それぞれの愛の表わし方・・・。
せつなかったり、苦しかったり、痛かったり。
でも愛ゆえのことだから・・・、
天童作品の「愛」は、ちょっと痛くて優しい。
"Playing for Pizza" John Grisham
「法律事務所」「ペリカン文書」「レインメーカー」等々、法廷や弁護士事務所を舞台にした作品で知られるグリシャムの・・・
アメフト選手を主役とした・・・
コメディ・・・(~_~;)
な・・・なぜ・・・。
コメディとして、ちゃんと成立してはいるけど、でもグリシャム君、君のフィールドじゃあないよ、やっぱり。
「陽気なギャングが地球を回す」 伊坂 幸太郎
伊坂作品は緻密でいてユーモア満載。
これも伊坂らしい作品。
でも「アヒルと鴨・・・」や「ラッシュライフ」ほどではないかなぁ。
「きみの友達」 重松 清
以前1冊だけ読んだ作品があんまり面白くなかったため、評価の高い作品がたくさんあることは知っていたけれど手に取ることのなかった重松清。
何気なく読んだこの作品、小学生、中学生、高校生・・・いろいろな時代の「キミ」とその友達が主役のいくつかのストーリーが重なり合って最後に大きな一つの物語となる。
主人公たちが小学生なのに、中学生なのに、泣きました。
そうだよね。 友達に仲間はずれにされたり、ついつい調子に乗りすぎたり、子供なりのプライドが傷つけられたり、 小学生には小学生の、中学生には中学生の、葛藤や悲しさがあったよね。
若い、柔らかい心への、優しいメッセージにあふれた作品でした。
「ママの狙撃銃」 荻原 浩
またまた荻原浩。 ごく普通の家庭の主婦が、実は殺し屋という、例によって荒唐無稽な設定。
まっ、娯楽小説ですから。
「フェレットの冒険 ~海の救助隊」 リチャード・バック
大人のための童話。 主役は海難救助隊の隊長であるメスのフェレット。
それなりに(あくまでも、それなりに)面白かった。
「あの歌がきこえる」 重松 清
“戦争を知らない子供たち”、“好きだった人”、“風を感じて”・・・
私自身が学生だった頃に聞いた懐かしい曲の数々をテーマに、一人の少年の中学から大学時代が描かれていく。
各章のタイトルになった曲ばかりでなく、あちらこちらに散りばめられた曲のタイトル。 遠い昔の曲なのに、あの頃の曲って、今でも歌える。 ああ、私もシュウ(主人公の男の子)と同じ時代を生きてきたんだ。
最後の章のタイトルが「トランジスタ・ラジオ」だというのが、まるで清志郎へのオマージュのよう・・・。
「死神の精度」 伊坂 幸太郎
まだしつこく伊坂作品を読んでいます。
人間独自のつらいことの一つに、幻滅がある。
妙に納得。 勝手にいろんなことに期待して、その勝手な期待がかなえられないと、勝手に幻滅する。
人間って自分勝手。
随所に独自の「人間観」(この作品では死神から見たものではありますが)が展開されていて、深~~~くうなずいてしまう。
by otravez
| 2009-08-08 17:52
| 読書録