楽しいこと、美味しいもの・・・目指すのは「いいことずくめ」の毎日!


by otravez

2009年6・7月に読んだ本

「あふれた愛」 天童 荒太

ちょっとだけ心の弱い人たちの、それぞれの愛の表わし方・・・。
せつなかったり、苦しかったり、痛かったり。 
でも愛ゆえのことだから・・・、

天童作品の「愛」は、ちょっと痛くて優しい。


"Playing for Pizza" John Grisham

「法律事務所」「ペリカン文書」「レインメーカー」等々、法廷や弁護士事務所を舞台にした作品で知られるグリシャムの・・・

アメフト選手を主役とした・・・

コメディ・・・(~_~;)

な・・・なぜ・・・。

コメディとして、ちゃんと成立してはいるけど、でもグリシャム君、君のフィールドじゃあないよ、やっぱり。


「陽気なギャングが地球を回す」 伊坂 幸太郎

伊坂作品は緻密でいてユーモア満載。
これも伊坂らしい作品。
でも「アヒルと鴨・・・」や「ラッシュライフ」ほどではないかなぁ。


「きみの友達」 重松 清

以前1冊だけ読んだ作品があんまり面白くなかったため、評価の高い作品がたくさんあることは知っていたけれど手に取ることのなかった重松清。
何気なく読んだこの作品、小学生、中学生、高校生・・・いろいろな時代の「キミ」とその友達が主役のいくつかのストーリーが重なり合って最後に大きな一つの物語となる。

主人公たちが小学生なのに、中学生なのに、泣きました。

そうだよね。 友達に仲間はずれにされたり、ついつい調子に乗りすぎたり、子供なりのプライドが傷つけられたり、 小学生には小学生の、中学生には中学生の、葛藤や悲しさがあったよね。

若い、柔らかい心への、優しいメッセージにあふれた作品でした。


「ママの狙撃銃」 荻原 浩

またまた荻原浩。 ごく普通の家庭の主婦が、実は殺し屋という、例によって荒唐無稽な設定。
まっ、娯楽小説ですから。

「フェレットの冒険 ~海の救助隊」 リチャード・バック

大人のための童話。 主役は海難救助隊の隊長であるメスのフェレット。
それなりに(あくまでも、それなりに)面白かった。


「あの歌がきこえる」 重松 清

“戦争を知らない子供たち”、“好きだった人”、“風を感じて”・・・

私自身が学生だった頃に聞いた懐かしい曲の数々をテーマに、一人の少年の中学から大学時代が描かれていく。
各章のタイトルになった曲ばかりでなく、あちらこちらに散りばめられた曲のタイトル。 遠い昔の曲なのに、あの頃の曲って、今でも歌える。 ああ、私もシュウ(主人公の男の子)と同じ時代を生きてきたんだ。

最後の章のタイトルが「トランジスタ・ラジオ」だというのが、まるで清志郎へのオマージュのよう・・・。


「死神の精度」 伊坂 幸太郎

まだしつこく伊坂作品を読んでいます。

人間独自のつらいことの一つに、幻滅がある。

妙に納得。 勝手にいろんなことに期待して、その勝手な期待がかなえられないと、勝手に幻滅する。
人間って自分勝手。

随所に独自の「人間観」(この作品では死神から見たものではありますが)が展開されていて、深~~~くうなずいてしまう。
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by otravez | 2009-08-08 17:52 | 読書録

2009年3月~5月に読んだ本

う~ん、読んだらすぐに書かないと、その時の感想って忘れちゃうなあ・・・。 
ということで、かなりざっくり、ほんのメモ。

幸福な朝食 乃南アサ
大きすぎる自尊心と、蓋をした罪の意識、その上に覆い被さった孤独。
そして壊れる悲しい心。

怖いなぁ・・・。

永遠の1/2 佐藤正午
仕事を辞めて、競輪でなんとなく食べている主人公。 ある日彼の周辺に現れたそっくりさんの出現情報。 そのそっくりさんの素性をさぐるうちに、彼自身もいろいろなことを経験し、考え、ちょっとだけ成長していく。これが佐藤正午のデビュー作かな? 微妙な脱力感が好きです。 

グラスホッパー 伊坂幸太郎
復讐のためにもぐりこんだ組織で、自分自身が復讐するつもりだった馬鹿息子を殺した犯人を探すことになり・・・。
普通の男性が、組織暴力や殺し屋といった、アウトローの世界の中で右往左往。

家族狩り(1)~(5) 天童荒太
連続しておこる高校生による両親の殺害事件の真相は・・・。
現実にも、家族関係の中で、いろいろな犯罪がおこる今日この頃。 家族の問題ってむずかしい・・・。 かなり暗いトーンで展開するストーリーだけど、その中で少しずつ光を見つけていく何人かの登場人物たちに、救いをみた。

闇の呼ぶ声 遠藤周作
遠藤周作の作品としてはあまり知られていないかもしれないけれど、なぜか印象に残る作品。 遠藤周作という宗教色の強い作品が多いけれど、これはちょっと異なり、その次に多い、「戦争中に日本が犯した罪」がベースとなっている作品。

ルパンの消息 横山秀一
横山秀一の作品も、発想がすごい! 時効成立当日に突然浮かびあがった殺人事件の真相。
高校生の「試験問題盗み出し作戦」と「三億円事件」の思わぬ結びつき。 うん、おもしろかった。

震度0 横山秀一
警察だって、出世競争もあれば、官舎内での奥様方の妬みや複雑な人間関係もある。 だからこそ、警察内部で事件が起きると、ことは複雑・・・。

あの日にドライブ 荻原 浩
「たられば」。 誰にでもある。 あの曲がり角をあっちに曲がっていたら、私は今どこにいることだろう。

トーキョー・プリズン 柳広司
戦後、GHQによって執り行われた東京裁判。 その被告としてスガモ・プリズンに収監されている、記憶喪失の戦犯キジマ。 彼は・・・。
淡々とした、推理サスペンスにして、実はかなり強烈な戦争批判。 
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by otravez | 2009-05-31 10:42 | 読書録

2009年1月・2月に読んだ本

「容疑者xの献身」  東野圭吾
2009年1冊目は、知人にもらった「容疑者xの献身」。 読みながら福山雅治、堤真一、松雪泰子の顔がちらつくのが玉にキズではありますが、ストーリーとしてはとっても意外性があって、楽しめました。

「魔王」 伊坂幸太郎
「チルドレン」 伊坂幸太郎

最近、伊坂幸太郎にどっぷりとはまっています。
「魔王」は、不思議な能力を備えた兄が主人公の「魔王」と、その5年後の弟が主人公の「呼吸」の2作品からなっています。 複数のストーリーが、交差する(リンクする)展開は、伊坂幸太郎作品の大きな特徴。

「チルドレン」も陣内という登場人物を中心とした複数のストーリー、語り手もバラバラ。それでも一つの不思議な世界。 ほんとうにうまいなぁ。

「証し」 矢口敦子
女のエゴの怖さの話。 かなり怖いです。

「そうか君はもういないのか」  城山三郎

亡くなった奥様との出会いから別れの日までの思い出を綴った本。 70歳を過ぎて、こんな風に照れることなく、奥様への愛情を語れるというのは、とっても素敵だと思います。

残された息子さん、お嬢さんとしては、もっとずっと生きていて欲しかったこととは思いますが、城山さんご自身は、今頃は奥様の隣で、おだやかに笑いながら地上を覗き込んでいらっしゃるかもしれません。


「沼地のある森をぬけて」  梨木香歩 
梨木ワールド全開! ファンタジーというか、おとぎ話というか・・・。
雲の中のような世界というか・・・。
この作家さんも、好きだなぁ。

「side B」 佐藤正午
小説だと思って買ったら、なんと競輪に関するエッセイでした。 競輪、まったくわからないので、「??」な部分も多かったけど、まあ、おもしろおかしいエッセイではありました。

「天使のナイフ」 薬丸岳
少年犯罪の被害者家族の苦悩。 
心ならずも少年犯罪の加害者になってしまい、法的な贖罪を免れてしまった者の苦悩。
悲しい物語。

「アヒルと鴨のコインロッカー」  伊坂幸太郎
伊坂ワールド最高!!
発想がすごいです。 途中で「きゃ~~、やられた!!!」とのたうち回ります。
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by otravez | 2009-03-02 23:43 | 読書録
2009年も始まってすでに5日というのに、2008年にアップできなかったネタがた~~っぷり残っております(滝汗)。

というわけで、2008年分の最後の読書録。

「さよならバースディ」 荻原 浩
この1年間に、この人の本をずいぶん読んだ気がして、以前のエントリーを振り返ってみたら、ここまでで4冊。 思ったほどは多くありませんでした。

キーボードを用いて、人とコミュニケーションのとれるサルのバースディと研究助手の主人公が、研究室関係者二人の自殺の謎を追う物語。 ミステリーというよりは、特殊な研究にまつわるお金や名誉、実験動物に対する研究者の理解と愛情、そんなものが描かれています。 荻原浩らしく、主人公は、ちょっとメインストリームからはずれたところで、もがき、がんばります。

「ハードボイルド・エッグ」 荻原 浩
そして2008年最後の荻原浩(笑)。 はちゃめちゃなユーモア小説なのに、最後にはホロリ。 荻原浩という作家は、やっぱりなかなかのストーリーテラーです。

「スープ・オペラ」 阿川佐和子
30代半ばの独身女性という、阿川佐和子の得意な人物設定。その彼女の家にちょっとしたきっかけで下宿することとなったまったく年齢の離れた二人の男性。その3人の不思議な人間関係。 大人の童話?

「ウルトラ・ダラー」 手嶋 龍一 
ウルトラダラーと呼ばれる精緻を極めた偽ドル札。 その背景を追うイギリス諜報部員。
偽ドルの影には日本人技術者の拉致や、巧妙な詐欺、謀略・・・。
アメリカの小説にありそうなテーマを、日本を舞台にこんな風に展開させるとは・・・。
なかなかスリリングな作品です。

「てのひらの闇」 藤原 伊織
過去と決別して生きてきたつもりだった男が、かつて自分を拾ってくれた上司の自殺の原因を探るうちに、再び過去と向き合うこととなる。 これもまた、最後まで誰と誰がどうつながるか、ドキドキの作品でした。

“WHITEOUT” Ken Follet
Ken Folletは、以前”On Wings of Eagles”という、イラン革命の際に不当に拘束された、民間企業のアメリカ人駐在員を、その企業から依頼を受けた退役軍人が救出するというノンフィクション(だという話だけど・・・)を読んだことがあって、てっきりアメリカ人作家だと思っていたけど、実はイギリス人だったんですね。 ちょっとびっくり。 ちなみに、この、「退役軍人を雇って駐在員を救出した」会社の社長は、かつてアメリカ大統領選挙に無所属で立候補したことで注目されたロス・ペロー。 そしてこの”On Wings of Eagles”も、ロス・ペローがKen Folletに、お金を払って書かせたという話です。

"WHITEOUT"は、イギリスのとある郊外の町にある細菌研究所から致死率100%というウィルスが盗み出される物語。 コンピュータを駆使し、何重にも張り巡らされているセキュリティーをくぐり抜ける手段が、そのセキュリティを構築した人間が盗み出す側にいるということで簡単にカタがついてしまうのがちょっといただけないし、随所にかなり強引さがみられるものの、ストーリーの展開の早さ、ハラハラドキドキさせるうまさは、よしとしましょう。
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by otravez | 2009-01-05 16:49 | 読書録

2008年7~9月に読んだ本

"The King of Torts"  John Grisham
グリシャムも、そろそろハナについてきた・・・と思いつつ、まだ読んでいない本に出会うとつい手に取ってしまいます。

企業相手の集団損害賠償訴訟専門の弁護士の物語。 天国と地獄は紙一重。 一発あててプライベートジェットを乗り回すような、チャラチャラしたことをしていると足元をすくわれるよっていうところでしょうか。 

「暗黒童話」 乙一
手塚治虫のブラックジャックに、角膜移植を受けた女の子が、今までに会ったことのない男性の顔が目に浮かぶようになって、実はそれが角膜のドナーを殺した人だったという話があるけれど、この「暗黒童話」は眼球の移植を受けた少女が、目に残っているドナーの記憶を辿って、事件に巻き込まれるという物語。 かなり意表をつく展開。 ちょっと怖いけどおもしろかった。

「償い」  矢口敦子
文庫本の帯に「60万部突破のベストセラー」と書いてあったけど、この作家さんはもちろん、この作品そのものも、まったく知りませんでした。
ミステリーだけど、本質的には、かなり優しい人間ドラマ。 秀逸。

「取り扱い注意」 佐藤正午
「オーデュポンの祈り」 伊坂幸太郎
この二人の作品はどこか似ている気がします。
現実感があんまりなくて、 物語の進み方や構成もどこかにていて、 発想もかなり奇抜で、でも文章そのものは淡々としていて。
どこに惹かれるという説明はできないけど、何故かはまっちゃいました。

「閉鎖病棟」 帚木蓬生
精神病院という極めて特殊な世界の、普通の日常。 精神を病んでいる人たちにだって、生活があり、ドラマがあり・・・。 タイトルだけ見るとちょっと暗い印象ですが、最後はすがすがしい、希望の感じられる物語。

「闇の子供たち」 梁石日
映画を観て、ものすごい衝撃を受け、原作を手にしました。
映画が臓器売買にかなりのウエイトを置いているのに対し、原作は幼児売買春の話の方に多くのページが割かれています。 さらには映画ではほんのちょっとしか描かれなかった、闇の世界と権力の癒着についても、ずいぶん書かれています。
映画はタイでは上映禁止になったとか。 たしかに、こういう問題が存在しているなんていうことを、国としては認めることはできないのでしょう。
「グローバリズム」というオシャレな言葉の影には、経済力の違いに歪められる世界があるということを、あらためて考えさせられてしまいました。
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by otravez | 2008-10-05 22:35 | 読書録
NEXT   by Michael Crichton

「ジュラシック・パーク」や人気テレビシリーズ「ER」の作者、マイケル・クライトンの科学サスペンス。

遺伝子組み換えで言葉を巧みに扱うことのできるようになったオウムや、人間とほとんど同じように考え、行動することのできるチンパンジー。 宣伝目的に使うために甲羅が発光するようになっている亀・・・。

ガンの進行を食い止めることのできる遺伝子を持つことが確認された人は、その遺伝子の所有権を主張する製薬会社との間に訴訟をかかえ、挙句はその子供や孫までが製薬会社の手先の人間につけ狙われる。

人の性格や嗜好を決定付ける遺伝子があって・・・たとえば危険なことを好む遺伝子とか・・・、犯罪の弁護にそういった遺伝子が持ち出され・・・。

大学の研究室や製薬会社は、新しく存在が確認された遺伝子をこぞって特許申請をし、特許権にがんじがらめになって、その遺伝子に関わる病気の治療薬などの開発が進まなくなる。

「生」を科学的に解明しすぎることへの疑問を投げかける作品。

若干、鼻につく(というか、説教くさい)ところもあるけれど、すごく先端を行く、興味深いストーリーでした。


「重力ピエロ」 伊坂幸太郎

こちらも遺伝子がらみ。 淡々と、悲しくて、恐ろしい話。


「ラッシュライフ」 伊坂幸太郎

実はこちらを先に読みました。伊坂幸太郎の作品は初めて読んだけど、ものすごく面白かった。 はまりそうです。


「毎日が日曜日」 城山三郎

ちょうど私の親の世代が、働き盛りだった頃の日本のサラリーマンの物語。 仕事・家庭・個人、そのバランスをどうとっていくか・・・。 むずかしいことだよねぇ。


「オロロ畑でつかまえて」 荻原 浩

無条件の楽しめました。 


「死んでも忘れない」  乃南アサ

この人の作品も、すごいなあ。 40代前半の働き盛りの父。 中学生の息子。 美しい後妻。 うまいことバランスを保っていた家族だったのに、ある朝、父が通勤電車の中で痴漢の嫌疑をかけられたことをきっかけに、バラバラになっていく。 ありえないことじゃないから、なおさら怖い物語。


「返事はいらない」  宮部みゆき

短編集。どの物語も発想がすごい。



「屋上のあるアパート」 阿川 佐和子

自伝なわけでは絶対にないのに、主人公が阿川佐和子本人のイメージになんとなくだぶってしまう。 オンナ30代の微妙な心の揺れ。 わかるような気もする。


「第三の時効」  横山 秀夫

F県警の捜査1課を舞台にした短編集。 刑事さんも、心にいろいろな思いを抱いた「人間」なのです。
最近映画になった、同じ作者の「クライマーズハイ」、 同じく映画化された「半落ち」。
この作家の作品は硬質な人間ドラマで、しびれます。
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by otravez | 2008-07-09 22:51 | 読書録

読書録 2008.3~4

「シャボン玉」  乃南アサ

乃南アサと言ったら以前は「6月19日の花嫁」とか「紫蘭の花嫁」といった「火曜サスペンス劇場」風の作品が多いというイメージがあったけれど、「凍れる牙」あたりから、ちょっとカラーが変わり、その後「ドラマチック・チルドレン」で、不登校の子供達についてのノンフィクションを発表したりと、ミステリーの枠を完全に飛び越えた感がある。 
この「シャボン玉」という作品も、ひったくりをしながらあてどない旅を続ける主人公が、ふとしたことから、山村で一人暮らしをする老婆の家の居候となり、疑うことを知らない、純朴な村人たちとの関わりの中で、今までの自分の生き方を振り返り、変わっていくという物語。 かなりいろいろなことを考えさせられてしまいます。 すがすがしい読後感が味わえる作品。

「僕の中の壊れていない部分」 白石一文

以前読んだ「一瞬の光」もそうだったけど、白石一文の作品の主人公の男性って、非常に腹が立つようなキャラクターの持ち主。 それにも関わらず、その主人公の人生観の中に、自分自身との共通項がやたらと多いことが、尚更腹が立つ・・・。


「彼女について知ることのすべて」  佐藤正午

最近はまっている佐藤正午。 この作品は「ジャンプ」「リボルバー」とはちょっとトーンの違う作品。
それでも主人公が、どこか自分自身を客観的に見ているような、それでいてどうにも自分の行動を御しきれていないあたりがこの人の作品に共通するところ。

「誘拐ラプソディ」  荻原 浩

この1~2年の間に、何冊荻原作品を読んだだろう。 
例によって、ユーモラスで、どこかホンワリと暖かくて、楽しいストーリー。
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by otravez | 2008-04-25 23:57 | 読書録
明日の記憶 荻原 浩 (光文社文庫)

2008年の1冊目は、またまた荻原 浩。渡辺謙主演の映画の原作です。
ある日「若年性アルツハイマー」と診断された働き盛りの男性。娘の結婚、孫の誕生を目前に控え、平凡でも幸せな日々だったのに・・・。

本人目線にもかかわらず、奥さんの痛み、周囲の困惑がとてもよく伝わってくる。絶望、怒り、あきらめ・・・いろいろな感情を乗り越えて、「その時々の自分を受け容れる」という思いにたどり着く。
最後数行の奥さんとのやりとりに、たとえ記憶を失っても、心の根底で愛しているものに対してはちゃんと「すてきだな」っていう感情を持つんだな。大切な部分は記憶ではなく、感情を生み出す自分自身なのかもしれないな・・・。 そんなことを思いました。
もちろん、実際の若年性アルツハイマーの患者さんやそのご家族はとても大変・・・体力があるので、周囲の人が患者さんの行動にコントロールをかけるのが難しい・・・というようなことにも触れられていて、この物語はあくまでも「きれいごと」なのだとは思いますが、それでもいろいろなことを考えさせられる一冊でした。


リボルバー 佐藤 正午 (光文社文庫)

佐藤正午という作家の、話の転がし方はすごい! ハラハラ・ドキドキなのに最後にはいい意味での脱力が待っている。 
他の作品も、片っ端から読んでみたいと思いました。


インストール 綿矢 りさ (河出文庫)

数年前に、芥川賞を最年少で受賞した綿矢りさのデビュー作。 高校生の等身大の言葉で書かれている。 初めのうちは「今どきだなぁ~~」という印象だけど、最後は「今の子だって、ちゃんと前を見て生きていけるよね」と思わせてくれる。


Digital Fortress Dan Brown

ダヴィンチ・コードのDan Brownの作品。ダヴィンチ・コード同様、話の設定は非現実的(というか、国家規模!)。 やたらと話が大きいわりには、これまたダヴィンチ・コードの最後のキー(ニュートンがらみのヤツです)同様、最後のポイントがえらく簡単で、拍子抜けしてしまう。 おもしろかったかと聞かれたら・・・微妙かなぁ。
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by otravez | 2008-03-19 22:57 | 読書録

感想文

12月にタイトルだけ紹介した、2007年秋~年末に読んだ本について、感想などを改めてアップします。

「オバサンの経済学」 中島隆信 東洋経済新報社

なんでこんな本を買ってしまったのかと、激しく後悔! オバサンだけでなく、女性の一生そのものを「OL→結婚→出産→子育て(専業主婦)→再就職(しかも技術のいらない単純作業職への)→孫の世話」という形でステレオタイプ化し、その線の中で女性がどんな風にオバサンとなり、そしてどういう経済活動を行うかという分析をしている。 何かのテーマに沿って分析をするには、ある程度のステレオタイプ化は必要な作業だとは思うけど、これはあまりに陳腐。

「リアルワールド」 桐野夏生  集英社文庫 

桐野夏生には珍しく、高校生(たち)が主人公。 今どきの高校生って、実際にもこんなふうに現実を非現実的にとらえて生きているのかもしれない。 

「水曜の朝、午前三時」  蓮見圭一  新潮文庫

遠い若い日の後悔をかかえて生きている女性の物語。 日本人の中にも「人種差別」は存在している。そんなことを考えさせられる物語。

「なかよし小鳩組」  荻原浩  集英社文庫

荻原浩のユーモアサラリーマン小説。 「神様からひと言」「メリーゴーランド」にかなり近い路線。 クスリと笑うシーン満載。 そしてときどきしんみり。

「ローズガーデン」 桐野夏生  講談社文庫

桐野夏生の「村野ミオ」シリーズ。 かなり暗い。

「未・フレンズ」   魚住直子  講談社文庫

魚住直子の作品は「児童文学」に入れられることが多い。 「超・ハーモニー」「非・バランス」そしてこの「未・フレンズ」。 どれも学校生活や家庭にちょっと問題のある多感な中学生が、世間からはみ出した人(性同一性障害の兄、仕事に対する不満を歪んだ形で発散させる女性、不法滞在のタイ人少女)とぎこちなくつきあっていく中で、自分の本当の姿に気づいていく物語。 お薦めです。

「ジャンプ」 佐藤正午 光文社文庫

奇想天外なようで、実はありえそうな話。 ストーリーの構成力に脱帽モノです。


"The Innocent Man" John Grisham Dell Book

「ペリカン白書」や「法律事務所」のグリシャムのノン‐フィクション。 冤罪の死刑囚の話だが、グリシャムがやけに感情的で、非常に読みづらかった。警察権力や司法当局に対しての対決姿勢がからまわりしている感じ。 どうしたグリシャム!
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by otravez | 2008-01-17 23:33 | 読書録

駆け込み!

今年は読んだ本を全部記録しようと決めていたのに、この何ヶ月か、全然書いてなかった!!

というわけで、取り急ぎタイトル・作者・出版元のみ、書いておきます。 いくつかについては後で書き足します。


「オバサンの経済学」 中島隆信 東洋経済新報社

「リアルワールド」 桐野夏生  集英社文庫

「水曜の朝、午前三時」  蓮見圭一  新潮文庫

「なかよし小鳩組」  荻原浩  集英社文庫

「ローズガーデン」 桐野夏生  講談社文庫

「未・フレンズ」   魚住直子  講談社文庫

「ジャンプ「  佐藤正午 光文社文庫

"The Innocent Man" John Grisham Dell Book
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by otravez | 2007-12-31 00:20 | 読書録