2008年 01月 17日
感想文
「オバサンの経済学」 中島隆信 東洋経済新報社
なんでこんな本を買ってしまったのかと、激しく後悔! オバサンだけでなく、女性の一生そのものを「OL→結婚→出産→子育て(専業主婦)→再就職(しかも技術のいらない単純作業職への)→孫の世話」という形でステレオタイプ化し、その線の中で女性がどんな風にオバサンとなり、そしてどういう経済活動を行うかという分析をしている。 何かのテーマに沿って分析をするには、ある程度のステレオタイプ化は必要な作業だとは思うけど、これはあまりに陳腐。
「リアルワールド」 桐野夏生 集英社文庫
桐野夏生には珍しく、高校生(たち)が主人公。 今どきの高校生って、実際にもこんなふうに現実を非現実的にとらえて生きているのかもしれない。
「水曜の朝、午前三時」 蓮見圭一 新潮文庫
遠い若い日の後悔をかかえて生きている女性の物語。 日本人の中にも「人種差別」は存在している。そんなことを考えさせられる物語。
「なかよし小鳩組」 荻原浩 集英社文庫
荻原浩のユーモアサラリーマン小説。 「神様からひと言」「メリーゴーランド」にかなり近い路線。 クスリと笑うシーン満載。 そしてときどきしんみり。
「ローズガーデン」 桐野夏生 講談社文庫
桐野夏生の「村野ミオ」シリーズ。 かなり暗い。
「未・フレンズ」 魚住直子 講談社文庫
魚住直子の作品は「児童文学」に入れられることが多い。 「超・ハーモニー」「非・バランス」そしてこの「未・フレンズ」。 どれも学校生活や家庭にちょっと問題のある多感な中学生が、世間からはみ出した人(性同一性障害の兄、仕事に対する不満を歪んだ形で発散させる女性、不法滞在のタイ人少女)とぎこちなくつきあっていく中で、自分の本当の姿に気づいていく物語。 お薦めです。
「ジャンプ」 佐藤正午 光文社文庫
奇想天外なようで、実はありえそうな話。 ストーリーの構成力に脱帽モノです。
"The Innocent Man" John Grisham Dell Book
「ペリカン白書」や「法律事務所」のグリシャムのノン‐フィクション。 冤罪の死刑囚の話だが、グリシャムがやけに感情的で、非常に読みづらかった。警察権力や司法当局に対しての対決姿勢がからまわりしている感じ。 どうしたグリシャム!
by otravez
| 2008-01-17 23:33
| 読書録