2007年 02月 01日
罪と罰
硬質なストーリーを硬質な文章で読ませる人。
警視庁の刑事と、幼馴染の工場勤務の男。 18年ぶりに二人の人生が重なって・・・。
文庫の帯に書いてある「現代の『罪と罰』」という紹介の言葉。 ドストエフスキーの「罪と罰」は、実は中学生の時にほんの格好つけで読んでしまい、今振り返ってみるとストーリーさえ曖昧にしか覚えていないが、そんなうろ覚えながらも、確かに『罪と罰』と通じるものが根底にあったとは感じた(言葉で表そうと思ったけど、うまく言えませんでした)。
罪・・・客観的に見てもはっきりわかる凶悪な犯罪・・・の種は、ひっそりと心の中に植え付けられ、そして種を蒔いた人ですらも忘れたころに芽吹く。そしてその種を蒔いてしまった人は、その事実に思い当たった時、清廉潔白ではない自分に驚愕し、打ちのめされ、そして犯罪の隠れた共犯者・・・もしかしたら不作為の主犯・・・としてその罪を一生背負って生きていくことになる。
・・・う~~む、おもしろかったけど、重くて疲れた・・・
by otravez
| 2007-02-01 23:06
| 読書録