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罪と罰

照柿(上)(下) 高村 薫 講談社文庫

硬質なストーリーを硬質な文章で読ませる人。 
警視庁の刑事と、幼馴染の工場勤務の男。 18年ぶりに二人の人生が重なって・・・。

文庫の帯に書いてある「現代の『罪と罰』」という紹介の言葉。 ドストエフスキーの「罪と罰」は、実は中学生の時にほんの格好つけで読んでしまい、今振り返ってみるとストーリーさえ曖昧にしか覚えていないが、そんなうろ覚えながらも、確かに『罪と罰』と通じるものが根底にあったとは感じた(言葉で表そうと思ったけど、うまく言えませんでした)。

罪・・・客観的に見てもはっきりわかる凶悪な犯罪・・・の種は、ひっそりと心の中に植え付けられ、そして種を蒔いた人ですらも忘れたころに芽吹く。そしてその種を蒔いてしまった人は、その事実に思い当たった時、清廉潔白ではない自分に驚愕し、打ちのめされ、そして犯罪の隠れた共犯者・・・もしかしたら不作為の主犯・・・としてその罪を一生背負って生きていくことになる。

・・・う~~む、おもしろかったけど、重くて疲れた・・・
 
by otravez | 2007-02-01 23:06 | 読書録

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